居抜き物件は、飲食店などの商業目的で借り受けているテナントが、退店するさいに原状回復を行わずに設備や什器などをそのままにし、新しい借主が引き継げる物件です。不動産屋の資料などには造作譲渡とも呼ばれています。
賃貸物件を借りる際には保証金を預けることになります。保証金は退出時には返還されるものですが、退出時には原状回復（スケルトン工事）を行う必要があり保証金の多くは、これらの費用や解約前予告賃料などに費やされ殆どが返還されないのが一般的です。一方で居抜き物件はオーナーからの許可を得て、設備や什器など附属させたままで新しい借主を募集することです。
新しい借主が見つかれば、原状回復費用や解約前予告賃料などを節約できるメリットがあり、保証金の多くが返還されます。ただし新しい借主が見つからず、退出する場合には原状回復を行う必要があります。
一方で新しい借主からしてみれば開店時にかかる初期費用を抑えることができますが、デメリットも多くすでにレイアウトが決まっており、また前の借主の評判やイメージを引きずる可能性があることです。お店はなんといっても評判が重要で居抜き物件は、営業不振による退店であることが殆どですので、そこで新しくお店をはじめる場合、過去のイメージを乗り越えられるだけの魅力が必要とされます。また設備や什器も古いものであれば老朽化によるトラブルが発生する可能性が高く、せっかく初期費用を抑えても、修理費用などが嵩んで経営が圧迫される場合もあります。
